太陽の表面で起こる爆発現象「太陽フレア」。
その爆発によって電磁波や電気を帯びた粒子などが大量に放出され、地球の磁気が乱されると地球に様々な影響を与えると言われています。
近年この太陽フレアが起きるのではと注目されており、2022年6月総務省から初めて大規模な太陽フレアについての被害想定が公表されました。
この記事では、太陽フレアの通信障害が起きると予測される時期や、スマホやテレビ、電子機器に与える影響についてご紹介します。
太陽フレアの通信障害はいつ起きる?
太陽フレアの通信障害は太陽フレアの発生に伴い、起きると言われています。
太陽フレアは自然活動なので必ずいつ起こるとは言えませんが、今のところ2025年1月~4月頃に太陽フレアの爆発が起きるのではと予測されています。
太陽表面の爆発現象はおよそ11年周期で強弱を繰り返しています。
直近で活発になった時期が2014年だったことを踏まえて、次に宇宙天気の荒れるピークが2025年1月~4月頃ではないかと予測されているようです。
11年周期で太陽フレアは起きているので、過去にも様々な影響がありましたが、今回対策が議論されているのは100年に1度以下の頻度で起きると言われる「スーパーフレア」。
このスーパーフレアは規模が大きく、近年起きている太陽フレアの10倍から100倍もの規模をもつ巨大な爆発が発生する可能性があるのです。
太陽フレアは水素爆弾10万個~1億個分ものエネルギーをもつと言われる巨大な爆発。
過去、人類が知っている最大の爆発は1859年にカナダで起きた「キャリントンイベント」と呼ばれる9時間の大停電です。
大量のプラズマが宇宙から降ってきて、地上に電流を発生させ電力施設が故障し停電したことで600万人に影響を与えました。
それからは大規模な爆発は起きていませんが、時代が進み通信機器などに依存している現在に同規模の爆発が起きた場合は、さらに大きな被害がでると想定されています。
この太陽フレアは日々観測されているので、爆発が起こる時期をある程度予測することができます。
爆発が起きてから最初の電磁波が地球に届くまでの時間は、たったの8分程度ですが、大規模な現象は実際に爆発が起きてから2日後ぐらいに地球にやってくるので、対策をする若干の余裕はあると言われています。
太陽フレアのスマホやテレビ、電子機器への影響は?
総務省の報告書によると、もしスーパーフレアが起きた場合、最悪の場合は以下のような影響があると予測しています。
- 携帯電話の通信やテレビやラジオの放送に約2週間程度断続的な障害が発生
- 警察無線や消防無線などの通信無線にも影響を及ぼす恐れがあり、110番や119番などがつながりにくくなる
- カーナビではGPSの精度が大幅に低下し最大数十mの誤差が生じ、その結果事故が多発する
- スマホの位置情報も精度が低下するため、地図アプリなどが誤作動を起こす
- GPSの乱れで飛行機や船が運航できなくなる
- 人工衛星の電子機器の誤作動
- 広範囲にわたる大規模な停電
現代人々は電子機器に依存する生活をしているので、もし大規模なスーパーフレアが起きた場合、被害の規模は相当なものになると思われます。
これらは必ずしも起きるというものではなく、あくまで最悪の場合というシナリオですが、必ず起きないとも限らないので出来る限りの対策は取っておいたほうがいいですね。
太陽フレアの対策は?
総務省は国としての対策として、以下のようなことを提言しています。
- 国家で危機管理に取り組む必要性
- 新しい「警報基準」の導入
- 通信業界や航空業界などへの専門社員の設置
- 「宇宙天気予報士」の創設
また、通信などの分野では影響を受けやすい周波数を避け、有線通信などの代替手段を確保するなどのインフラ整備についても進めていく必要があるとされています。
個人レベルで出来ることは限られていますが、太陽フレアが起こりそうな場合メディアなどで取り上げられることが増えてくると思います。
そのため、事前にニュースをチェックし、大規模停電に備えた対策をしたり、電子機器への影響を想定して電子データのバックアップを取るなどしておくように心がけましょう。