パンを作りに欠かせないイーストですが、大容量のものを購入すると短期間で使い切れずに必ず保存が必要になりますよね。
イーストの保存は冷蔵保存が基本。
ただし、イーストには数種類あり、種類別に保存方法がやや異なります。
イーストは保存方法を間違うことでパンがふくらまない原因になることもあるので保存には注意が必要です。
そこで、今回はドライイーストを含む、イーストの種類別に保存方法をご紹介します。
イーストの種類
初心者の人が自宅でパンを作る場合は、ほぼインスタントドライイーストを使用することが多いかと思いますが、よくわからないまま使っている方も多いかと思います。
そこで、先にイーストの種類についてお伝えしますね。
まず、パンをふわふわに膨らませるためには酵母が必要ですが、その酵母には“天然酵母”と“イースト”があります。
- 天然酵母
- 天然酵母は野菜や果物、穀物などに付着している多種多様な酵母やカビ、細菌を増殖させたもの。
イーストに比べると発酵に時間がかかるが、イーストのように単一種の酵母でなく、いろいろな種類の酵母が混在しているので、味わい深いパンになる。 - イースト
- イーストも果物や穀物など自然のものが原料だが、パン作りに適した酵母だけを凝縮したパン専用の酵母。
発酵する力が強く安定しているので、短時間で手軽にパン作りができる。
そして、イーストにも4種類のイーストがあります。
出来上がりの風味の良い順に上からご紹介。
表示が下にあるものほどイースト臭はきつくなりますが、その代わりに扱いも簡単で手軽に使うことが出来ます。
生イースト
生イーストはパン作りに適した酵母を培養して作った、生きたパン酵母。
粘度のように固形でひと塊となって販売されている。
パン屋さんでも使われていることが多く、イースト臭もない。
使用する際は水で溶いてから使用。
長期の保存は不可。
セミドライイースト
インスタントドライイーストのようにさらさらとした形状。
生イーストとインスタントドライイーストのいいとこどりの商品。
仕上がりは生イーストには敵わないが、イースト臭が少ないため風味にもこだわりつつ、粉に混ぜて使えるので手軽に使用できる。
長期の保存が可能。
ドライイースト
パン酵母を培養した後、長時間低温で乾燥させて脱水し粒状にしたもの。
使う時にはぬるま湯に入れて戻すなど、予備発酵が必要になる。
手間はかかるが、長期間の保存が可能。
インスタントドライイースト
パン酵母を培養した後、短時間で乾燥させて、乳化剤を添加したもの。
発酵する力も強く、予備発酵も不要なので、初心者でも簡単にパンを作れるなど最も手軽に使える。
長期保存可能だが、開封後の劣化はドライイーストよりも早い。
種類別 イーストの保存方法
イーストの種類別に適切な保存方法をご紹介します。
生イーストの保存方法
生イーストは冷蔵保存が基本です。
生イーストは、生きたイースト細胞の集まりなので、常温に置いておくと活動が始まり発酵力が弱まります。
また、冷凍すると生イースト中の水分が凍って膨張し、細胞が破壊されるため、冷凍保存は出来ません。
生イーストには約70%の水分が含まれているため、冷蔵庫に保管する際は乾燥を防ぐことも大事です。
密封できるビニール袋や保存容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
生イーストの消費期限は未開封のものでも2週間ほどなので、開封後は数日で使い切るようにしてください。
セミドライイーストの保存方法
冷凍で流通しているものなので、冷凍したまま保存します。
セミドライイーストは冷凍保存で消費期限までほとんど変わらない効果を得ることができます。
ドライイーストの保存方法
ドライイーストは長期保存が可能で、開封しなければ2年、開封後も1か月日持ちします。
未開封のものは直射日光を避け、風通しのいい冷暗所に保存し、開封後は密封容器に移し冷蔵保存しましょう。
時間が経つと発酵力が低下するため、早めに使い切るようにしてください。
ドライイーストの開封後の保管方法は、原則、冷蔵保存といわれていますが、冷凍しても使えるという声も聞きます。
ただし、メーカーは推奨していないものが多いので、冷凍保存される場合は自己責任で保存されてください。
インスタントドライイーストの保存方法
インスタントドライイーストが活発に働く温度は、30度前後です。
常温で保管した場合、イースト菌がどんどん活動して、いざ使う時にはすっかり活動出来ない状態になり、パンが膨らまない原因になります。
イーストの活動を停止させるために冷蔵庫で保存することをおすすめします。
また、インスタントドライイーストは空気に触れると活動を始めるので、できるだけ空気に触れないように密閉して保存しましょう。
タッパーなどしっかりと蓋が閉まる密閉容器で大丈夫です。
基本冷蔵保存が望ましいですが、冷凍保存も可能です。
冷凍したものを使用する際は順調に活動させるために、使う前に室温にしばらく置いて使うことをお勧めします。
使用期限は開封後、冷蔵保存で約半年です。
冷凍保存の場合は1~2年程度持つこともあるようです。
さいごに
イーストは保存状態で適切に発酵するかどうかが決まります。
どのイーストも、開封すると発酵する力が弱まっていきますので、出来るだけ早めに使いきるように心がけてくださいね。
イーストは生きた菌なので、しっかり保管して、最後まで使える状態を保つようにしましょう。