スーパーフードとして海外のセレブが愛用していることで有名になった『チアシード』。
最近は日本でもダイエットや美容に効果があるとして取り入れている方も多いかと思います。
しかし流行に乗って食べてみたけれど、「何がいいの?」「全然効果を感じられない!」などと思ってらしゃる方もいるのではないでしょうか?
この記事では、チアシードの効果を実感できないという方向けに、効果を実感して頂ける食べ方などの情報をお伝えします。
この記事を読んでチアシードの効果をしっかり実感して頂けたらと思います。
チアシードって何?

チアシードとは、メキシコなど中南米を原産地とするシソ科の植物「チア」の種子です。
チアシードには、健康を維持するために必要な、たくさんの栄養が含まれており、現地では「人間は水とチアシードだけで、生命を維持できる」と言われてるほど。
大きさは、2mm程度でゴマよりも小さな粒です。
水などの液体に入れると10倍以上に膨らんで、種の周りが透明のゼリー状になるという大きな特徴があります。
そのゼリー状のものは、コンニャクなどに多く含まれる、水溶性食物繊維のグルコマンナンで、腸内環境を改善して便秘解消を助けてくれます。
また、チアシードは表面が黒いもの、白いものと2種類あります。
基本的にチアシードは黒く、その中に一部白い粒が混じっていますが、ホワイトチアシードは、その白い粒が多く採れるよう品種改良されたものです。
ブラックチアシードに比べ、オメガ脂肪酸が多く、水分を含んだときの膨張率も1.4倍あります。
そのため、高い栄養価を求めたり、ダイエットを目的とする場合は、ホワイトチアシードがおすすめです。
▼ ホワイトチアシードはインターネットでも購入可能です
また同じスーパーフードとして取り上げられ、よく似ているものとして「バジルシード」があります。
バジルシードは、ハーブの一種であるバジルの種。
バジルシードの方が約2倍膨らみ、カロリーも低カロリーですが、チアシードの方がアミノ酸やオメガ3系の脂質を多く含んでいるため、体内の余分な脂肪を燃やすというメリットがあります。
チアシードの主な栄養素は?
先程も触れましたが、「チアシードだけで、生命を維持できる」と言われるほど、チアシードは栄養価に優れた食品です。
具体的には次のような栄養素が豊富に含まれています。
オメガ脂肪酸
オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)は現代人に不足しがちな栄養素で、人の体内では作ることが出来ず、食品から摂る必要があります。
血液をサラサラにしてくれて、冷えの改善や美肌効果も期待でき、また血液中の中性脂肪値を低下させたり、アレルギーを抑える働きも。
オメガ3脂肪酸の1日の推奨摂取量は約2gですが、チアシードはオメガ3脂肪酸の推奨摂取量を大さじ1強(約10〜12g)で摂取できるなど、自然界ではトップクラスの含有量です。
食物繊維
食物繊維は腸の中の悪玉菌や腸内の有害物質を便として排出したり、食後の血糖値上昇を防いで糖が脂肪に変わることをブロックする、コレステロールの余分な吸収を抑えるという効果があります。
腸内環境を整えてくれるため、便秘対策に有効。
チアシードを大さじ1杯(約10g)には、食物繊維が5g程度含まれているため、食物繊維の1日推奨摂取量の約2割を摂取することができます。
鉄分
鉄は不足しがちな栄養素で、鉄分が不足すると、免疫低下や疲労が起こりやすくなります。
チアシード大さじ1杯食べることで、鉄分が多いことで知られているほうれん草50gを食べるのと同等の鉄分を摂取することが出来ます。
マグネシウム
現代人にはマグネシウムが不足しがちだといわれています。
マグネシウムの不足によって、けいれん、めまい、神経・精神疾患、骨粗鬆症、脳の老化などを引き起こすことも。
チアシードを大さじ1杯にはマグネシウム35mg程度が含まれているので、マグネシウムの成人女性の1日の摂取目安量(250mg)の7分の1程度を摂ることが出来ますよ。
たんぱく質
チアシードは、植物の中でも、たんぱく質含有量が多い食材のひとつです。
しかも、必須アミノ酸を8種類も含んでいることから、“奇跡の植物性たんぱく源”と言われることも。
カルシウム
骨や歯の形成に欠かせないカルシウムですが、チアシードに含まれるカルシウムは、一般的に含有量が多いとされる乳製品や納豆以上ともいわれています。
チアシード大さじ1杯にカルシウムは63mg程度含まれていて、これは成人の1日の摂取目安量(650mg)の10分の1程度にあたります。
その他の栄養素
他にもチアシードはリン、カリウム、亜鉛、ビタミンB群、セレンなど多くの栄養素を含んでいます。
チアシードの効果

チアシードは古くから食されてきたものですが、スーパーフードとして注目を集め始めたのは最近のことです。
健康への影響についてはまだ分からない部分もありますが、確認されている栄養素も多く、摂取することでの様々な効果が認められています。
ダイエット
「チアシードでは痩せない」という声も聞かれますが、中にはチアシードを摂取するだけで痩せると勘違いしている人もいるようです。
実は、チアシードはカロリーだけを見ると高く、大さじ一杯で50kcal程度。
そのため、食べすぎるとカロリーオーバーになります。
チアシードのダイエット効果を実感するには、食べ方がとても重要。
チアシードの一番の特徴である水分を吸収すると約10倍に膨らむ作用はダイエットに役立ちます。
食事の前に充分に吸水したチアシードを摂ることで、満腹感が得られ、それによって摂取するカロリーの量を減らすことができます。
また、チアシードを摂ることで、血糖値の上昇を抑える効果があるとされています。
血糖値の上昇がゆるやかになると、太りやすくなるホルモンであるインスリンの分泌が抑えられ、脂肪がつきにくくなるのです。
摂取するタイミングですが、ダイエット目的で摂取する場合は食事の20分ぐらい前に摂るのをおすすめします。
サラダにふりかけるなど、チアシードを乾燥したまま食べていても、摂取カロリーが増えるだけで痩せないので気を付けてください。
チアシードのその他の効果
ダイエットの他にも、チアシードの効果は多数認められています。
主なものを紹介しますね。
美肌
肌トラブルの原因の1つは代謝の低下です。
チアシードにはきれいなお肌を作るために必要なビタミンやミネラルも豊富に含まれているので、摂取することで肌細胞を活性化し、代謝を促進させる効果もあります。
チアシードの便秘解消効果も、肌荒れを改善するのに効果的です。
便秘を改善・デトックス
チアシードに多く含まれる食物繊維は、腸内の老廃物を排出してくれたり、善玉菌を増やしたり、腸の活動を活発にしたりして腸内環境を改善するため、便秘解消にも効果的です。
また、便秘解消によって、体内に入ってくる毒素が排出しやすくなりデトックス効果もあります。
コレステロール値・中性脂肪の減少
チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸にはコレステロール値を正常にする作用、また中性脂肪を減らす作用があります。
さらに、食物繊維にも体内にあるコレステロールを吸着し、排出してくれる作用があります。
高血圧・動脈硬化の予防
チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸は、血液をさらさらにし、血圧を下げる効果があるので、高血圧や動脈硬化の予防に効果的とされています。
チアシードの副作用
チアシードは自体には目立った副作用は報告されていません。
しかし、大量に摂取することで便秘や下痢を起こす可能性があります。
摂取する際は、適度な量の摂取を心掛けましょう。
また、体質によってはアレルギー反応を起こす可能性も。
チアシードに含まれるたんぱく質が、アレルギーの拒否反応を起こすようで、同じシソ科の植物や、からし類にアレルギーを持っている人に多いとされています。
吐き気や嘔吐・発疹・呼吸困難など、重症化するとアナフィラキシーショックなどの副作用を起こす危険性もあるため、何らかのアレルギーを持っている方は充分気を付けてください。
また、チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸の血流促進効果により、服用している薬に影響がでる可能性もあります。
血圧や血栓対策など薬を服用している場合は、医師に相談して摂取するようにしてください。
チアシードの効果を実感できる食べ方
チアシードは乾燥状態のまま食べる、ペーストにする、何かに入れて食べるなど、様々な食べ方で摂取することが出来ます。
ゼリー状にして食べる場合など、水分への戻し方もご紹介させていただきますね。
1日の食べる目安としては乾燥状態で大さじ1杯(10g)を目安に食べましょう。
乾燥したまま食べる
チアシードは乾燥状態のまま食べても大丈夫です。
南米では同じシソ科のごまやえごまのように、すりつぶして食べることもあるようです。
無味・無臭で料理の味をじゃましないので、パスタやサラダに乗せたり、すりつぶして油や酢と混ぜ、ドレッシングとして食べるなどいろんな使い方ができます。
ただし、乾燥状態ものを一度にたくさん口にするとお腹の中で固まってしまうことがあるので、摂取する量や一緒に摂る水分にも気を付けてください。
そのまま食べても栄養価は変わりませんが、ダイエットの効果を期待したい場合は水に浸してチアシードを膨らませてから食べるようにしましょう。
水に浸して食べる
チアシードは水分に浸すととろみが出て、プルプルの食感になります。
この食感を楽しみたいときやダイエット目的の場合は、水に浸してから使いましょう。
10~20分ほど浸すと、半透明のゼリー状のものに覆われて10倍程度に膨らみます。
水の量はチアシードに対して10倍が目安です。
具体的にはチアシード大さじ1(10g)に対して150mlの水になります。
基本は10倍ですが、ややサラッとした仕上がりになります。
もっとドロッとさせたい場合は水の量を減らすなど、お好みで水の割合を変えて頂くと、いろいろな食感を楽しむこともできますよ。
水だけでなく、ジュースなどの味がついた水分で戻しても大丈夫です。
ホワイトチアシードはより多く水分を吸収するため、様子を見て水を増量し調節してください。
チアシードには発芽毒(アブシジン酸)があるので、12時間以上水に浸す必要があるという声もありますが、チアシード中に含まれるアブシジン酸はごくわずか。
1日に食べる量もわずか10g程度なので、大量に食べない限り気にしなくてもいいかと思います。
噛む?噛まない?
チアシードはゴマのように噛むか噛まないかで、期待される効果の表れ方が違います。
噛んで食べた場合は、チアシードの豊富な栄養をより吸収することができます。
しかし、その分同時に摂取するカロリーも多くなります。
噛まない場合はその逆で、カロリーの摂取は抑えられますが、栄養分の摂取率は低くなります。
満腹感を得て食事量を抑えたいという方は、あまり噛まないで摂取する方が良いでしょう。
チアシードの保存方法

チアシードは開封前でなければ、2年程保管できるものが多いです。
ただし、一度封を開けたものは、出来るだけ早めに食べきるようにしましょう。
乾燥状態のもの
基本的には冷蔵は不要ですが、温度や湿度が高い場所で保管するとカビが生えてしまうことがまれにあります。
酸化が進むため、直射日光が当たる場所もやめたほうがいいです。
できれば遮光性のある密閉容器に入れて、高温多湿でない環境で保存するとよいでしょう。
一度水に浸したチアシードは冷蔵庫へ
チアシードは食べる分だけ、そのつど水に浸して食べるのが基本ですが、どうしても食べきれずに余ってしまう場合もあるかと思います。
そんなときは冷蔵庫で2、3日間の保存が可能です。
保存する際の容器は、乾燥と劣化を防ぐために出来るだけ密閉できるものを選びましょう。
冷凍庫で便利に保存
水に浸してしまったチアシードを2、3日では食べきれない場合は、冷凍保存も可能です。
製氷皿のように細かく仕切りの入った容器に冷凍しておくと、使いたい分だけ使えるので便利ですよ。
チアシードの簡単・美味しいレシピ
チアシードのレシピはたくさんありますが、面倒くさがりの人でも短時間で手軽に作れるおすすめのレシピをご紹介しますね。
ヘルシー豆乳プリン

豆乳で作るヘルシーなプリンです。
【材料(1人分)】
チアシード:大さじ2(20g)
豆乳:100ml
はちみつ:小さじ2~大さじ1(お好みで調整)
トッピング:フルーツやシリアルなどお好きなものを
※お好みでバニラエッセンスを1~2滴加えると、より風味が増します。
【作り方】
1.容器にチアシード、豆乳、はちみつを入れ、スプーンでしっかり混ぜ、冷蔵庫で半日から一晩冷やしふやかす。
2.冷やし固まったら、トッピングを乗せて完成。
【ポイント】
冷たい豆乳にはちみつは溶けにくいので、しっかり溶かしてください。
冷蔵庫に入れて20~30分後に一旦取り出してもう一度混ぜると、ムラなく出来上がります。
チアシードのジュレ ドレッシング

手持ちのドレッシングとチアシードを混ぜることで、簡単にジュレ状ドレッシングを作ることができます。
ジュレ状なので、素材に絡みやすく、しっかりと味わえます。
【材料】
チアシード:大さじ1
お好きなドレッシング:大さじ3~4
【作り方】
チアシードにお好きなドレッシングを入れて、しっかりと混ぜ半日から1日置くだけです。
【ポイント】
ドレッシングの素材によってチアシードが戻りにくい場合もあります。
その場合はチアシード大さじ1と水50ccを容器に入れ、一晩冷蔵庫に置いて固めたものにドレッシングを混ぜてください。
ここではご紹介していませんが、他にも、ヨーグルトにチアシードを入れて半日置くと食感がしっかりとしたものに変わり、食べ応えのあるものになります。
オートミールやミューズリーなどをトッピングすると、朝食にもピッタリ。
チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸の効果は、約40度以上で加熱することで無くなってしまいます。
そのため、チアシードの効果を充分に発揮させたい場合には加熱するのは避け、出来るだけ生で摂取するようにしましょう。
最後に
今回はチアシードの栄養素や効果、効果的な食べ方などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
チアシードは大さじ1杯で栄養価も高く、健康面でもダイエットにも効果が期待できる素材です。
正しく摂取することで、チアシードのたくさんの効果を実感してもらえたらいいなと思います。