2021年6月4日放送のTBS「あさチャン!」で放送された、夏目三久さんのオードリータン氏へのインタビュー「天才大臣に聞く“天才能”の育て方」についてご紹介します。
小1で中学レベルの連立方程式を解き、台湾史上最年少の35歳での「デジタル担当大臣」への閣僚就任など、IQ測定不能の天才児と言われたオードリータン氏。
8歳でコンピュータープログラミングにはまり、中学校を自主退学して15歳で起業した天才プログラマー。
「世界の頭脳100人」にも選ばれた、オードリータン氏の“天才脳”が生まれた背景について、夏目三久さんがインタビューされていました。
オードリータンが影響を受けたドラえもん
オードリータン氏が若いころに見た日本のアニメで影響を受けたものに「ドラえもん」「新世紀エヴァンゲリオン」「攻殻機動隊」があるそうです。
そんなオードリータン氏は今でもコスプレをするほどドラえもんが大好きなんだそう。
夏目さんの「ドラえもんの道具の中で1つだけ使えるとしたら何がほしいですか?」の問いに、オードリータン氏は「もしもボックス」と答えていました。
この「もしもボックス」という道具は、電話で「もしも~だったら」と仮定の設定を話すことにより、その世界を実際に体験できる道具。
このもしもボックスを選んだ理由として
「もしもボックスは使う人の想像する世界が、必ずしも良いものではないことを教えてくれる道具でもあります。もしもボックスはシュミレーションのための素晴らしい道具だと思います。」
と思いますとコメント。
実はオードリータン氏は子供のころ“ドラえもん的教育”をジャーナリストの両親から受けていたそうです。
オードリータンが受けたドラえもん的教育「ソクラテス式問答法」とは
この「ソクラテス式問答法」とは、会話の中で質問を繰り返すことで解決に導く方法のこと。
例えば、日常でよくあるこんな会話
今日朝寝坊しちゃった…
夜遅くまで起きているからだ 早く寝ろ
しかし、オードリー家式のソクラテス式問答法だと、
今日朝寝坊しちゃった…
なんでだと思う?
夜遅くまでゲームしてたから
そうか どうして夜遅くまでゲームをやめられなかったの?
楽しくて夢中になっちゃって気付いたら夜遅くだった…
時間に気付くようにするにはどうすればいいと思う?
寝る時間になったら時計が鳴るようにする
そうだね いいアイデアだね
と、子供自身に「考えるチャンス」をあげるのだそうです。
これについてオードリータン氏は
「もし親が自分の子供をいつまでも赤ん坊のように何でも教えて育ててしまうと、子供には自分自身で考える機会がなくなってしまいます。ドラえもんは子供たちに『このように行動すべき』と押し付けるように教えたわけではありません。ドラえもんは子供たちを助けて支援はしましたが、支配はしていませんよね。」
とコメント。
オードリータン氏は、このソクラテス式問答法で物事を柔軟に考えられる力を身に着けていったと紹介されていました。
天才脳を持つオードリータン氏へ質問
番組ではオードリータン氏への質問を集め、直接オードリータン氏へ尋ねていました。
「どうしたら天才になれますか?」(13歳中学生)
「自分のやっていることを楽しみ、出来るだけ多くの人々に影響を与えられる世界に貢献できることを見つけることです。もし貢献することを楽しめれば、それが得意になっていきます。何よりも楽しむことです。」
「勉強が嫌いなんですが、どうすればできるようになりますか?」(9歳小学生)
「もし勉強するのが嫌いなら、他に好きなことを探してみてください。探して、それを練習して、どうやったら上手になれるかを理解してみてください。そうすれば好きになりつつ、そのことを学んでいることになります。」
好きなことが見つからないときは、いっぱい休んで何もしないことで、自分の好きなことが見つかることがあるということでした。
「(小2で)いじめにあったときにどのように対応しましたか?」(14歳中学生)
「私は児童心理学について本を読み、いじめてくる相手が『なぜ人をいじめたくなるのか』という構造を理解しようとしました。そして私は自分のことが好きになれたので、いじめを社会問題化し、新聞や本で取り上げられるようにしようと思いました。」
「親として子供に言ってはいけないNGワードは何ですか?」(10歳の子供を持つ母親)
「親は子供に対して『こうしろ』と言ってはいけないと思います。少なくともそのルールがある理由を説明すべきです。理由も説明せずに『ただ従わせる』ということは、決して親がしてはいけないことだと思います。(例えば子供がコンセントに触れようとした場合)『コンセントに触れては危ないよ。関電してしまうことでショック状態になってとても危険だよ。』と、親は結果や理由を説明することが必要だと思います。」
また夏目さんからの
「困難にぶち当たったときに、気分転換やリラックスする方法は?」という質問には、
「私は問題を解決しようと焦らず、8時間睡眠をとります。もし問題が本当に困難なものであれば、私は9~10時間睡眠をとります。そうすると起きた時に良いアイデアが浮かんでいるのです。」
と回答されていました。
オードリータンの思考法 IQより大切な心の知能指数
台湾ではIQの高さよりも、EQ(心の知能指数)を重要視するそうです。
台湾では、誰かが他の人と共感する能力に長けていれば「EQが高い」と尊敬され、どんなに頭が良くても、相手を尊重した言動が取れない人間は「EQが低い」とみなされ、支持を失うという文化があります。
そんな台湾で重視されるEQの高め方について、オードリータン氏は
「充分に睡眠をとることです。それ以外には傾聴することを練習してください。人の話を遮らずによく聞いて、話し終えたら、すぐに聞いたことを繰り返してください」
とコメントされていました。
さいごに
この記事では、2021年6月4日放送「あさチャン!」の、夏目三久さんのオードリータン氏へのインタビュー「天才大臣に聞く“天才能”の育て方」についてご紹介しました。
オードリータン氏の思考法がよく話題になりますが、ご両親が幼少期からドラえもん的教育と例えられた「ソクラテス式問答法」のように、命令したり論破したりせず、自分で考えて解決させるよう導いていった教育も、今のオードリータン氏の思考に大きく影響していそうですね。
日本ではEQよりもIQの高さが尊重されるような傾向があり、EQのレベルは世界でも最低水準なんだそう。
台湾のようにEQを高める努力も、対人関係や、自分自身の心の満足を高めるために今後必要になってくるのではないでしょうか。
オードリータン氏の思考法に習いながら「人間力」を高めていきたいですね。
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